九州大学法学部

2005年度 「憲法2(人権論)」

定 期 試 験

成績評価について

担当教員:南野 森

更新:2006年2月20日

 

成績分布状況

2006年2月20日

優 上(95点以上)
3名
 (1.4%)
優 中(90点以上)
4名
 (1.9%)
優 下(80点以上)
10名
 (4.7%)
(小計) 優
17名
(8.0%)
良 上(75点以上)
7名
(3.3%)
良 下(70点以上)
10名
(4.7%)
(小計) 良
17名
(8.0%)
可 上(65点以上)
7名
(3.3%)
可 下(60点以上)
51名
(24.1%)
(小計) 可
58名
(27.4%)
不 可(59点以下)
116名
(54.7%)
棄 権
4名
(1.9%)
合 計
212名
(100.0%)

受験者総数 : 212名

問題について

2006年2月14日

【問一】

 問題にある「見解」は、最高裁判所1957年3月13日大法廷判決(いわゆるチャタレイ事件)における真野毅裁判官の意見の一部を抜き出したものです(字句を修正したところがあります)。問題となった文書がわいせつ文書に該当するかどうかを「社会通念」に従って判断すると言う場合の「社会通念」について、多数意見の示した考え方を批判する文脈で述べられていると理解することができるものです。この点を踏まえて論じることができれば、優れた答案になったのではないかと思います。チャタレー判決における真野意見は、講義において一読を強く薦めておいたところです。多数意見の「社会通念」観についてはメディア判例百選55の解説が参考になるということも講義で強調しておきました。

採点をしていて目についたいくつかの優秀答案を紹介します。ここをクリック

【問二】

 本問の三菱樹脂事件最高裁大法廷判決(1973年12月12日)は、「いわゆる基本権の私人間効力について、間接適用説の立場を打ち出した判例である」(憲法判例百選11の解説)と一般に言われています。講義では百選の解説のこの部分をわざわざ読み上げました。しかし、この判決については、間接適用説ではなく無適用説の立場を示したものであると読むべきであるという主張が最近の憲法学界で有力に主張されている(高橋和之教授、野坂泰司教授など)ということも講義で詳しくお話ししました。答案としては、私人間効力をめぐる学説についてきちんとまとめていることが、最低限必要だと考えます。

 採点をしていて目についたいくつかの優秀答案を紹介します。ここをクリック

 

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