九州大学法学部

2006年度後期  「憲法 II (人権論)」

定 期 試 験

2007年2月5日(月)10h30〜12h00 於・大講義室

担当教員:南野 森

 

【注】問題は3問ある。解答の順序は問わない。配点は問一、問二がそれぞれ50点であり、問三が9点であるが、100点を最高得点とする。問三は要するに救済措置として加点しようとする趣旨に出たものであると解釈されたい。小六法は貸与しないことにした。一切の持ち込みを認めない。

 

問  題

【問一】 次の文章を読み、関連する憲法学上の諸問題につき論じなさい。   (50点)

 表現の自由を保障した憲法21条の規定の趣旨、目的にかんがみると、受刑者のその親族でない者との間の信書の発受は、受刑者の性向、行状、監獄内の管理、保安の状況、当該信書の内容その他の具体的事情の下で、これを許すことにより、監獄内の規律及び秩序の維持、受刑者の身柄の確保、受刑者の改善、更正の点において放置することのできない程度の障害が生ずる相当の蓋然性があると認められる場合に限って、これを制限することが許されるものというべきであり、その場合においても、その制限の程度は、上記の障害の発生防止のために必要かつ合理的な範囲にとどまるべきものと解するのが相当である。そうすると、監獄法46条2項は、その文言上は、特に必要があると認められる場合に限って上記信書の発受を許すものとしているようにみられるけれども、上記信書の発受の必要性は広く認められ、上記要件及び範囲のみでその制限が許されることを定めたものと解するのが相当であり、したがって、同項が憲法21条、14条1項に違反するものでないことは、明らかである。

【参考】監獄法46条2項:受刑者及ビ監置ニ処セラレタル者ニハ其親族ニ非サル者ト信書ノ発受ヲ為サシムルコトヲ得ス但特ニ必要アリト認ムル場合ハ此限ニ在ラス

 

【問二】 公務員の労働基本権制約について論じなさい。   (50点)

 

【問三】 次のラテン語の意味を簡単に述べなさい。   (各3点、計9点)

 (1) mutatis mutandis

 (2) ad hoc

 (3) sine qua non

 

 

 

受 験 者 数

2年生
181名
3年生
45名
4年生
5名
5年生以上
8名
他学部生
0名
合  計
239名

 

 

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