九州大学法学部

2013年度前期 法学入門

定 期 試 験

2013年7月26日(金)13h00〜14h30 於・大講義室

担当教員:南野 森・井上宜裕・遠藤 歩

 

1.問 題

 

【大問1】

 XとYは、数ヶ月の交際の後に婚姻し、すぐに息子が生まれるなど、当初は仲睦まじく暮らしていた。しかし、ある日、夫XがA女と不倫をしたことから夫婦関係は悪化し、次第に妻YはXに対して暴言をはくようになった。そこで、婚姻から5年後に、Xは家を出てAと暮らすようになった。それ以来、XとAは35年間共に暮らして現在に至っている。 さて、今やX、Yともに70歳となったことから、Xは過去を清算したいと思うようになり、これまで音信不通であったYに対して、離婚の申出を行なった。ところが、Yは、Xの勝手な振る舞いを許すことなど絶対にできないといって、離婚の協議を一切拒否している。

 そこで、XはYに対して離婚の訴えを提起したいが、Xの訴えは認められるだろうか。なお、XはYに対して相応の慰藉料を支払う準備があるものとする。

【注記】@問題となる条文(条文番号だけでよい)を示したうえで、A解釈上の問題点、B判例の立場、C私見の順に答案を構成しなさい。     

                                              (50点)

 

【大問2】 

 死刑の是非について、議論状況を整理した上で、私見を展開せよ。               (50点)

 

【大問3】

 次の問いに答えなさい。解答の順序を変えないこと。また、@〜Dの解答は、数字を除きすべて漢字で書くこと(仮名書き・誤字は減点の対象となる)。                              

                                        (5点×6問=30点)

@ 日本の刑事訴訟において、検察官は、犯罪について一定の嫌疑が存在し訴訟が可能であると思われる場合であっても、諸事情を勘案して起訴を猶予することができる。このような原則を何というか。「◇◇主義」という形式で答えなさい。
A アメリカで有力に主張されている、裁判官による憲法の文言の解釈は憲法制定者がその文言に与え(ようとし)た意味に従ってなされるべきであるとする立場を何というか。
B いわゆる『ローマ法大全』のうち、唯一、主たる部分がギリシア語で書かれているものは何か。
C 判例によると、他人の食器に放尿する行為も、池の鯉を逃がす行為も、刑法に定められたある同一の犯罪に該当する行為として処罰される可能性がある。刑法何条に定められている何という罪か。「刑法○条・◇◇罪」という形式で答えなさい。
D 大日本帝国憲法下で立憲主義学派と呼ばれる通説的見解を代表した論者で、九州帝国大学の初代法文学部長でもあったのは誰か。
E 「刑事裁判の鉄則」とも言われる原則である "in dubio pro reo" を、日本語で表現しなさい。

 

 

 

2.受験者等の数

 

1年生
196名
2年生
25名
3年生以上
3名
他学部生・交換留学生
6名
合  計
230名
履修中止
0名
未受験(法学部2年生以上・他学部生)
6名
未受験(1年生)
5名

 

 

3.得点分布状況

採点終了

2013年8月7日更新

得  点
人 数
 受験者に占める割合
100点以上
 39名
17.0%
90点以上99点以下
46名
20.0%
80点以上89点以下
50名
21.7%
70点以上79点以下
39名
17.0%
60点以上69点以下
34名
14.8%
59点以下
22名
9.6%
合  計
230名
100.0%

 

問題別得点の平均点(法学部1年生のみ)
大問1(50点満点)
31.5点
大問2(50点満点)
35.1点
大問3(30点満点)
15.5点
合  計(130点満点)
80.0点

 

1年生の受験者196名の得点分布
100点以上
34名
17.3
90点以上99点以下
39名
19.9%
80点以上89点以下
45名
23.0%
70点以上79点以下
35名
17.9%
60点以上69点以下
27名
13.8%
59点以下
16名
8.2%
合 計
196名
100.0%

 

学生呼び出し
以下の学生番号の者は、速やかに南野までメールで連絡をし、その指示に従うこと(連絡のあった学生の番号から消していきます)。
13073、13183

 

 

4.成績分布状況

成績評価終了

2013年8月5日更新

旧評価方式
新評価方式
人数
 受験者に占める割合
優上(90点以上)
A
85名
37.0%
優下(80点以上89点以下)
50名
21.7%
良(70点以上79点以下)
39名
17.0%
可(60点以上69点以下)
38名
16.5%
単位取得者数
212名
92.2%
「不可」(未受験者11名を除く)
18名
7.8%
合  計
230名
100.0%

 

1年生の受験者196名の成績分布
A
73名
37.2%
45名
23.0%
35名
17.9%
31名
15.8%
単位取得者数
184名
93.9%
不可
12名
6.1%
合 計
196名
100.0%
未受験
5名
 

 

 

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