(西日本新聞2007年5月15日朝刊)
「(・・・)憲法改正の手続きを定める国民投票法が十四日、成立し、六十年間変わることのなかった日本国憲法を改正する動きが大きく進み始めた。ただ、参議院での審議はわずか一カ月。憲法を専攻する学生や、市町村合併の是非をめぐり一足早く住民投票を体験した九州の自治体などの“現場”では依然、懸念がぬぐえていない。 ■憲法ゼミ 福岡市東区の九州大。憲法を学ぶ法学部三年の安東嵩司さん(21)は「今、国民が期待しているのは年金や福祉、雇用問題などの解決。憲法改正を必要としているとは感じられない」と、成立を急いだ与党の姿勢に疑問を投げかけた。同じゼミの四年の石井真理子さん(21)は、将来に目を凝らし「いったん憲法九条を変えてしまえば元に戻すのは難しい」と言い、議論が九条改正に向かうことへの不安を口にした。 学生の間では、教職員や公務員の地位利用の是非や投票年齢の引き下げなどの問題点を指摘する声も聞かれた。南野森准教授(憲法)は「(問題が多数指摘されていた)法案を何も修正できなかった参議院は存在意義が問われる。公務員や教師の運動制限などは規定があいまいすぎる」と厳しく批判した。 ■各県選管 (・・・) ■市町村 (・・・)」 |