大隈教授(憲法学)最終講義

九州大学法学部助教授  南野 森   

九州大学法学部ニュース第2号、2006年5月発行)

 

     大隈義和教授の最終講義は、2006年1月27日4限に大講義室にて行われました。500人を収容する大講義室を埋め尽くした聴衆のなかには、大隈教授の師である手島名誉教授を始め、植田法学部長・大出法科大学院長ほか法学部の教員、さらに全国各地から集まった憲法学者や大隈教授のゼミ生・卒業生など、じつに多彩な顔ぶれが見られました。これもひとえに大隈教授のお人柄によるものかと思います。「“地方自治”からの“憲法改正”」と題された最終講義では、1962年に九州大学法学部に入学されて以来現在に至るまで40年超の長きにわたり、大隈教授がどのような問題関心から憲法学の勉学そして研究・教育に邁進してこられたかを、往時の興味深いエピソードや九州帝国大学法文学部(1924年創設)以来の憲法講座の歴史を交えつつ振り返ることから始まり、近年日本国憲法の改正が政治の場においても議論されるようになっていることについて、ご自身が年来精力的に取り組まれている「地方自治」に関する問題を、憲法改正を考える際にいかに扱うかという、たいへん興味深く重厚なお話を展開されました。

     90分間という最終講義の時間はあっという間に過ぎてしまい、最後には満場の拍手のなか、大隈ゼミの学生・院生や卒業生たちから大きな花束が教授に贈呈されました。その後憲法専攻の院生と我々教員で大隈教授の労をねぎらいましたが、漏れ聞けばさらにその翌日には全国から駆けつけたゼミ(卒業)生たちと盛大にお祝いの宴を深夜まで(!)もたれた由。大隈先生、ほんとうにお疲れさまでした。あとを襲って九大法学部の憲法の講義を担当する者の一人として、今後とも微力ながら鋭意努力して参りたいと考えています。

 

 

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